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「長老教会」というのは、どういう教会ですか?

長老教会の紹介

長老教会、というと、お年寄りばかりが集まっている教会、というイメージがあるかもしれませんが、 そういうわけではありません。

長老教会とは、教会の運営形態として「長老制」を採る教会を指します・・・というと、 いきなり訳わからないかもしれませんので、ごく簡単に説明すると、 教会の運営を、聖職者である牧師と、信徒の代表である「長老」とが共同して行う方法、ということです。 このように説明すると、わりと「ごく当たり前」の運営方法とお感じになるかもしれません。 アメリカの議会政治などは、もともと長老教会の影響を受けて成立していますので、 現代社会のいわゆる「議会制民主主義」は、長老教会の制度に近い、と言えるかもしれません。 (ちなみに教会の運営形態としては他に、聖職者のみが運営に当たる「監督制」と、 聖職者による統治を排除し信徒による直接的な運営を目指す「会衆制」とがあります。 が、運営の都合上実態としてはいずれも「長老制」的になってくるようです)

長老教会における「長老」というのは、役職名であって、ご年配の方を指すわけではありません (実際は、壮年の男性が多くなる、ということはありますが)。 「教会役員」といえばイメージしやすくなるかもしれません。 聖書の中にも、いくつか長老の働きについてふれた箇所がありますが (使徒の働き15章、20章17節、テモテへの手紙第一5章17節、等)、 長老教会は、この制度が最も聖書的な教会運営の方法と考え、そのように行っています。

長老教会は、歴史的には、宗教改革者カルヴァン(1509-1564)による宗教改革の伝統を受け継いでいます。 カルヴァンに始まる宗教改革の伝統(長老派、または改革派といいます)は、 スイスからオランダ、スコットランドなどヨーロッパ各地に広がり、やがてアメリカで大きく発展します。 また、教理的には「ドルト信条」「ベルギー信条」「ハイデルベルク信仰問答」 「ウェストミンスター信仰基準」等の多くの信条・信仰告白を残しています。

日本には、江戸時代の鎖国が解かれて以来、プロテスタントの宣教が開始されたのですが、 その初期からヘボン、ブラウン、バラ、フルベッキら長老教会(改革派教会)の宣教師が来日し、 重要な役割を果たしています。日本初のプロテスタント教会である「横浜公会」 (現在の日本キリスト教会横浜海岸教会)は長老派の教会であり、 第二次大戦前の日本における最大のプロテスタント教派である日本基督教会も長老派の影響を強く受けています。 また、長老教会の影響のもとに設立されたミッションスクールも、 明治学院女子学院東北学院金城学院四国学院等数多くあります。 ある意味、長老教会は、日本のプロテスタントに最も大きな影響を与えた教派と言えると思います。

「日本長老教会」というのは、どういう教会ですか?

日本長老教会は、第二次大戦後、アメリカの長老教会の宣教師と日本人の協力により設立された 「日本基督神学校(現在の)」の卒業生を中心として、 1956年に設立された「日本基督長老教会」と、戦後生まれた独立の長老教会が集まって 1979年に設立された「日本福音長老教会」とが、同じく正統的な長老主義を受け継ぐ教会として、 1993年5月に合同して成立したものです。 現在は、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、愛知、岐阜、三重、石川、大阪、香川、徳島の13都府県に、 6中会59地区教会が所在しています。

日本長老教会は、日本において正統的な長老教会の建設を目指しています。 特に、神学的には「ウェストミンスター信仰基準」を、キリストの信仰を十分に現すものとして採用しています。
その他の特徴として、「独立自治」があげられます。 これは、外国ミッションからの経済的な援助に依存せず、日本の教会がリーダーシップをとって運営に当たる、ということです (もちろん、諸外国の教会と関係を持たない、ということではありません。 アメリカ長老教会(PCA)アメリカ正統長老教会(OPC)大韓イエス教長老会高神派等、 いくつかの諸外国の長老教会と正式な交流を持っています)。
また、「福音主義」に立つ、ということも特徴の一つです。 福音主義、とは、19世紀以降、近代主義や自由主義神学の進展により危機を迎えた聖書的・正統的キリスト教を 保持していく運動として起こったもので、現代においては世界的にも大きな潮流となっています。 日本長老教会は、その草創期から、主にアメリカからの、この福音主義の思想を受け継いでいます。 また、日本における福音主義に立つ諸教会の協力機関である 日本福音同盟の主要メンバーとなっています。